出産という人生の中でも大仕事を終えて、
少しずつ赤ちゃんとの生活に慣れてきたら、次に待っているのは予防接種ですね。
予防接種のことをオーストラリアでは Immunisation (アメリカ英語で Immunization。オーストラリアはZがSになる)とか Vaccine などといいます。

こんにちは。もうすぐ次女が1歳!
メルボルン在住2児ママのナエです。
オーストラリアの予防接種は日本に比べるとシンプルで予定が立てやすいです。
だけど慣れない英語名に
娘が何の予防接種を受けるのか分からなくて不安だったのを覚えています。
今回は予防接種の種類やオーストラリアと日本の違い、
私の予防接種に対する考えをお話ししたいと思います。
1.予防接種スケジュールとワクチンの種類
オーストラリアと日本では子どもが接種するワクチンの内容が違います。
ワクチンはGPでも接種できますが、
各地域(カウンシル)が開催している
予防接種セッション( Immunisation Sessions)で受けるのが一般的です。
ビクトリア州のセッションスケジュールはこちらから確認できます。
・ワクチンの日本語名
オーストラリアで定期接種のワクチンの日本語名です。
・定期接種の時期と内容
オーストラリアでの定期接種の時期とワクチンの内容を日本語で記入するとこうなります
誕生時
B型肝炎
2ヶ月
・6種混合:
ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、ポリオ、ヒブ
・肺炎球菌
・生ワクチン(飲む):ロタウイルス
4ヶ月
・2ヶ月と同様のみっつ
6ヶ月
・6種混合のみ
12ヶ月
・3種混合:
麻しん、流行性耳下腺炎、風疹
・髄膜炎菌C
・肺炎球菌
18か月
・4種混合:
水ぼうそう、麻しん、流行性耳下腺炎、風疹
・3種混合:
ジフテリア、破傷風、百日咳
・ヒブ
4歳
・4種混合:
水ぼうそう、麻しん、流行性耳下腺炎、風疹
ほとんど混合接種になっているので少なく感じていましたが、
こうやって書きだすとけっこう多いですね。

調べてみると日本よりオーストラリアの方が数は多いようです
これらすべてはオーストラリアが必須としているワクチン接種なので
メディケアに関係なく、無料で接種できます。
インフルエンザワクチンは日本と同じで毎年希望する人のみ接種します。
妊婦さんと子ども(6ヶ月以上5歳未満)は無料ですよ。

Flu shotって言うよ
2.日本に長期滞在するなら接種したいワクチン
日本では定期接種されていて、オーストラリアではされていないワクチンがあります。
オーストラリアでは発症件数がなく、
不必要とされているので定期接種になっていませんが、
日本に完全帰国または
長期帰国の予定がある場合接種を考えたいワクチンが次のふたつです。
・BCG
日本のハンコ注射とは違って、普通の注射になります。
5歳になるまで結核発生率が高い国に長期滞在する場合のみ接種が推奨されています。
オーストラリアではハンコ注射がないので、日本でBCGを接種してくると、
ハンコ注射の跡を見たオージーたちが「何の傷跡だ!?」と驚くと聞いたことがあります。
・日本脳炎【 Japanese encephalitis 】
オーストラリアで接種する場合、9ヶ月までが目安となっています。
ふたつともどこでも接種できるわけではないので、
まずはGPで確認をしてみましょう。

ちなみに我が家の娘たちはどちらも接種していません。
3.Australian Immunisation Registerに登録しよう
日本や他の国からオーストラリアに引っ越してくる場合もありますよね。
オーストラリアの学校や保育園に通いたい場合は、
今まで予防接種を受けてきたことを証明する
Immunisation history を提出する必要があります。
そのヒストリーを作成するにはまず
Australian Immunisation Register というものをメディケアから登録しましょう。
これはメディケアカードを持っている・持っていないに関係なく
オーストラリアに住んでいる人ならだれでもつくることが出来ます。
次にGPに行って、母子手帳に記載されている今まで受けたリストを見せると、
Immunisation history をアップデートしてくれます。
そして他に何の接種が必要なのか教えてくれます。
オーストラリアは混合接種が多いので、
「これだけひとつ足りない」となってもそれだけを受けることは出来ません。
同じものをまた接種してしまうかもしれませんが、多い分には問題がないそうです。
4.予防接種の義務化について
少し昔のものですがこんなニュースを発見しました。
シドニーで2008年に起こった事件です。
生後2日の息子がB型肝炎の予防接種を強制的に受けさせられるのを拒否し、
息子ともども身を隠した夫婦を捜索している。
(中略)
夫婦は、ワクチンにはアルミが含まれており、
そのアルミがB型肝炎よりも深刻な被害を息子に及ぼす可能性があると考えている。
さらに肝炎のほうが、ワクチンから感染する可能性のある神経系の障害よりも
効果的にコントロールできるのではないかとも思っているという。
実は私も予防接種に関してはかなり悩んで、考えて、調べました。
予防接種を受けさせるのも・受けさせないのもどちらもリスクがあるからです。

結果から言って娘たちは
オーストラリアの必須ワクチンは接種しています
オーストラリアでは予防接種が義務化なのかと聞かれると答えはNOです。
日本と同じで受けさせない選択もできます。
ただ、それにはかなりの労力が必要になってきます。

Immunisation is not compulsory but is highly recommended for all children.
予防接種は義務化ではないが、全ての子どもたちにとても推進している
・最大$5500の罰金!?
上で書いたように、オーストラリアの学校に通う場合、
Immunisation history を提出する必要があり、
予防接種をしていない子どもの入学を拒否することが出来ます。
ホームスクールにするか、
予防接種をしていなくても通わせることのできる学校を選ばなくてはいけません。
私の住んでいるメルボルンでは、
シュタイナー系や、一部の私立の学校は通えるところもあるようです。
メルボルンやシドニーは特に厳しいようで、
このために他の州に引っ越しをした友人もいます。
・社会保障を受けられない No Job, No Pay ポリシー
オーストラリアでは市民や永住者に Family tax benefit と呼ばれる児童手当のようなものの支給があります。

我が家もその恩恵をありがたく頂いております
以前までは予防接種を受けていなくても受けることが出来ました。
それが、過去10年間で予防接種を受けない家庭が2倍以上になったということから
2016年から義務接種という形になり、予防接種を受けないと支給されなくなりました。
Family tax benefit は各家庭の収入によって違いますが、
だいたい5万円ほどあるのでそれが全く受けられないとなると…

我が家は困ります…
・一般家庭にも罰金!?
実は一度長女の予防接種時期をかなり遅らせたことがあります。
すると政府から「予防接種の時期が過ぎていますよ~」という手紙が来ました。
それでもさらに放置していると
「予防接種を受けて下さい。
○月○日までに受けない場合はその理由を教えて下さい。
理由がない場合毎月$○○の罰金を支払うことになります。
またその金額は一定期間をあけて上がっていきます」
というような内容の手紙がきました。

これにはビックリ。慌てて覚悟を決めました
お金を払わない、
またはもらえないから予防接種を受けさせるのかと聞かれると違うのですが。。。
だけど、我が家の場合はそこが大きかったです。
義務ではないといいながら、ここまで徹底されると受けざるを得ないですよね。
5.リスクとは
私は予防接種がすべていけないものだとは考えてはいません。
最初に書いた通り、予防接種は受けるのも・受けないのもリスクがあります。
みんな共通しているのは子どもの健康を願っていること。
そこで親がどういう納得した責任の取り方をするのかだと思います。

娘たちは何も副作用は(今の所)でていません
かなり難しいトピックで意見が分かれる内容ですよね。
だけど、決められたことを当たり前に過ごすのではなく、
パートナーや家族としっかり話し合って、
覚悟を持って取り組む必要があるトピックだと思います。
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